作業療法士 / 入職15年目

作業療法の視点が
病院や施設の枠を超えて活用される面白さを体験。

TOP  協和会のヒト  作業療法士  大山 勝範

後輩達がチャレンジでき、活躍出来るサポートを。

回復期リハビリテーション病棟に勤務しており、臨床業務、管理業務、地域事業の窓口を担当しています。
作業療法士としての臨床業務では、入院前の買い物や習い事などの生きがいを含めた生活について患者様と共有し、残存機能を活用するための動作方法の工夫や環境調整、心身の機能回復といった援助により、生きがいの再開を目指して取り組んでいます。
管理業務では、リハビリテーション科という大所帯の中で同じ目標に向かって個性を発揮できる様な仕組みづくりを行っています。管理職の情報共有も大切な事ですが、後輩達が新たな事へチャレンジできるようにコミュニケーションを図り、活躍出来るよう支援を心掛けています。
地域事業については、主に地域住民の健康増進に向けた健康講座、地域の福祉職のスキル向上に向けた地域ケア会議に関わっています。直接対象者に触れて個別的に関わるのではなく、1対多数の集団に対して作業療法経験で培った知識と技術を提供して、地域全体の健康リテラシーの向上に取り組んでいます。
*健康リテラシーとは、健康や医療に関する情報を探したり、活用したりする能力のことです。情報溢れるこの時代に、情報を正しく理解し、自身の実践に落としこむために必要な能力の1つです。

勉強に力を入れる時、育児に携わる時、
ライフワークバランスを大切にしてくれる職場と仲間がいる。

新卒の元気な若手から、育児中のスタッフ、包容力のある上司まで年齢性別問わず、様々個性を持ったスタッフが多く働いている事が大きな魅力だと思います。自身のライフステージにより、勉強に力を入れる時や育児に携わる時など、ライフワークバランスを大切にしてくれる職場仲間がいます。
学びに関しても大学院の学位取得者が中心となり、研究活動を実施してくれています。研究と言うと難しい印象を受けるかも知れませんが、検査測定や、患者の車椅子の姿勢を調整、栄養状態の確認など日常の全てのスタッフが行う臨床業務を用いて行えるデザインをしています。臨床での疑問を調べ、解決し、それを患者様に還元するといった患者様を中心として取り組みとなっており、1年目からでも参加して研究の体験ができます。
地域事業も1年目のスタッフも含め数名で健康講座へ参加し、皆さんの前で体操は緊張するかもしれませんが地域のかたと楽しく健康増進に向けた関わりが持てます。
自分の興味がある分野、まだ興味が見つかっていない方も含めて、多様な世界を見せてくれるセラピストが多く働いています。

地域独特の課題を行政の施策へつなげていく。
作業療法の視点が病院や施設の枠を超えて活用される事の面白さ。

私自身は、地域事業に力を入れています。
「病院で働くのに地域のことに関わる必要があるのか?」と思われるかも知れませんが、非常に重要な視点です。ここで言う地域とは、「地域リハビリテーション」という枠組みだけでなく、「○○中学校区」という地域(圏域)のことになります。当たり前ですが、病院・施設も必ずどこかの地域に属しています。その地域は「坂が多いのか?」「近くにスーパーがあるのか?」「バス停が多いのか?」といった地域の特性によって患者様の再獲得すべきことが変わってきます。
入院前や退院後に担当患者は、必ずその地域の資源を活用する事になります。退院後の健康増進を行なう資源がなければ、病院で行った成果が継続出来ません。また、日頃から健康増進に務める機会が多ければ、入院時に「元々、運動週間があればもう少し良くなったかも」と悩まされる事は少なくなると思っています。
また、地域で健康増進を進めるには行政や福祉の方と課題を共有して対策を考えていく必要があります。その場の1つとして「地域ケア会議」という取り組みが全国的にも行われています。1人の事例の生活課題から自立支援に必要な資源や環境調整を検討し、そこで浮かび上がった地域独特の課題を行政の施策へつなげていく取り組みです。
作業療法士としては、「掃除が出来ない」「買い物ができない」など困難となっている生活課題のどこに問題があるのかを作業分析することで解決に向かうように進めます。

地域で過ごす人々に健康講座を通して健康で長く生きがいを継続できるように支援すること、事例検討を通して地域自体の健康増進の資源を拡大する事、自身の作業療法の視点が病院や施設の枠を超えて活用される事の面白さを体験できることが、とても魅力的です。

地域の健康講座の講師を通して、高齢者の望む生活を実現したいと思うように。

初めて健康講座の講師を行なった時に高齢者の元気さに驚かされました。当時から、回復期リハビリテーション病棟で勤務していました。入院患者も高齢化しており、80~90歳代の方が多く、過度な運動提供が行えず、「年齢考えたらこれくらいかな」と勝手にその方の潜在能力に上限を定めていました。しかし、健康講座の会場は2階まで階段を上がらないといけない環境でした。その会場までキャリーカートを担いでくる90歳の参加者、円背姿勢でも手すりを持たず階段を昇ってこられる方など、元気に地域で生活を営んでいる高齢者を目の当たりにしました。良く考えれば、自身の祖母も80歳代でグランドゴルフに畑仕事をしており、高齢者が元気であることは知っていたはずです。入職して数年の間に自身の頭の中で高齢者のイメージを虚弱な方に作り変えていた事を痛感しました。この健康講座の経験から、より入院している方の「退院後に望む生活を実現したい!」「もっとしたいことがあるはずだ」と必死に考え、勉強するようになりました。

「地域と病院をシームレスに繋げる」そんな作業療法を実現したい。

「地域と病院をシームレスに繋げる」そんな作業療法を実現したいと考えています。退院先を早急に決めるといったシステムの話でなく、「退院した後に自身のしたいことを再獲得できる!」そういった思いを共有して必要な資源を経由していくことができればよいと思っています。そのためには、病気をされる前に私を含めた地域の住民たちが自身の思いと現状を認識して、健康維持と増進に向けた小さな努力を積み重ねて行く事のできる社会の実現が必要となります。
回復期リハビリテーション病棟に入院された方は、動きにくかった体からリハビリテーションを通して「良くなる」と実感されて方が多くいます。そういった方が社会生活に戻って行くことが、今は健康な方たちの意識を変えることの一助になると思っています。
その方の「生きがい」や楽しみを明確にして、障害をおっても活き活きと生活できる。そんな地域を作業療法の視点を用いて実現したいと思っています。

子供の出産時期、家庭を優先するようにと言ってくれた上司と同僚。

6年前にちょうど子供の出産時期でした。双子だったこともあり、奥さんの体調や受診の付き添いなど突発的に休みが必要になることがありました。その際に家庭を優先して休みを頂けた上司の方、そのフォローをしてくれた同僚に深く感謝しています。おかげさまで子供の成長を夫婦で一緒に見守れました。同じように男性で育児休暇を取得している後輩も増えてきました。
私のように子育てだけでなく、自身の体調や親の介護などで急な休みが生じた際に、フォローできる体制が整っていると感じました。
また、コロナ流行により遠出ができませんが、それ以前は5~6日の連休を取り、趣味のスキューバダイビングにサイパンまで行っていました。リフレッシュのために予定の連休を取りやすいことも働きやすいと感じる部分です。

入職希望者にメッセージ

仕事と遊びや家事のワークライフバランスを大切にした職場です。研究から地域活動まで多様な取り組みをしている先輩がいますので、広い視点に触れながら、自身の興味のある分野を見つけて働ける職場だと思っています。
ぜひ、一緒に働きましょう!

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